【1話】やさしく学ぶBitcoinの暗号技術:暗号の歴史

Bitcoinは仮想通貨なのか、暗号通貨なのか

唐突ですが、Bitcoinを仮想通貨(virtual currency)と呼ぶべきか、暗号通貨(crypto currency)と呼ぶべきかという定期的に発生する論争がありますよね。個人的にはどちらでもみなさんの好きな方で呼んでくださればいいかと思います。が、一応硬派な方たちにも配慮して場合分けしておくことにします。

仮想通貨というのはデジタルな世界で処理される電子マネーと言い換えることができると思います。デジタルな世界で記録されるので、実体(つまり紙幣だったり、硬貨だったり)を持たないので、”仮想”というわけです。電子マネーで良く知られたものにはSuica・Edy・Nanacoなんかがありますね。Bitcoinについて考えてみたときに、これもデジタルな世界で処理されるのでやっぱり電子マネーと分類して良いと思います(ここでの”Bitcoin”は通貨としてのBitcoinでネットワークとしてのBitcoinの話ではありませんよ)。

じゃあ、普通の電子マネーとBitcoinを同じように考えていいのかという問題ですが、これもまずいと思います。何故か。Bitcoinは暗号技術を用いた通貨だからです。つまりどういうことだってばよ。って感じですが。下記の図の通りです。

Bitcoinは仮想通貨であり、暗号通貨であることが理解して頂ける思います。最初からこの図を出せよって感じですね。

そもそも暗号とは何か

Bitcoinは厳密には暗号通貨であると一応確認したわけですが、そもそも”暗号”ってなんだよという新たな疑問が発生します。暗号ときくとパズルとか、なぞなぞとかそういうのを連想する方が多いのではないかなと思います。そんな連想をすると「暗号はエンターテイメントである」みたいな新しい解釈も可能ですし、実際にそういう方もいらっしゃるとは思いますが、今回はそういう趣旨で暗号を解釈いたしません。暗号は実需から生まれたものなのです。つまり暗号は極めて有用なツールなんです!

暗号の歴史

古代ギリシアスパルタ軍のスキュタレー

暗号の歴史の始まりは古代ギリシアのスパルタにあります。映画『300(スリーハンドレッド)』で有名なスパルタです。テルモピレーの戦いです。現代のビットコイナーにその精神は受け継がれており、ビットコイナーたちは大きな盾を構えて常に防御に徹しています。所謂HODLERです。HODLとは何か、HODLERはどこから来たのかを知りたい方はこちら(I AM HODLING)へどうぞ。

おっと。ちょっと無駄なことを喋り過ぎました。話を戻しましょう。何の話だっけ。そうでした。スパルタの戦で暗号が使われた話ですね。とにかく戦では情報が命です。そして情報は敵に知られてはなりません。隠す必要があります。cryptographyの語源はギリシア語にあり、kryptos(隠れた)とgraphein(書く)に由来するようです(出典1)。情報を暗号化して、味方には情報が伝わるが、敵には隠せるようにしたわけです。

そこで使われたのはスキュタレー暗号です。ロッドに巻き付けられた皮紐に文字を刻み込み、刻み終わったら解いてしまいます。こうすることで文字の並びも解けてしまい、情報を読み取ることができなくなるわけです。暗号の”鍵”になるのはロッドの”太さ”です。情報を暗号化するのにも、復号するのにも同じ太さが用いられます。暗号化にも復号にも同じ鍵が用いられています。このような暗号を共通鍵暗号といいます。共通鍵は他の人に知られてはいけません。

(出典:Wikipedia)

第二次世界大戦ドイツ軍のエニグマ

エニグマ(出典:Wikipedia)

20世紀初頭になると機械式の暗号機が発明されました。エニグマです。ドイツ軍はこれを使用して情報を暗号化して通信を行っていました。暗号化・複合の鍵はローターの組み合わせやセットする順序・目盛りの初期位置・プラグボード配線で、選択できる初期設定の組み合わせは数千億通りもありました。因みにこちら(三菱電機:暗号の歴史 STAGE4 第二次世界大戦)のページに飛ぶとエニグマについての更なる詳細を知ることができます。またエニグマの暗号読解にチャレンジできます。三菱電機さんのHPが詳しすぎて、読者のみなさんはこのページの存在意義を問うかも知れませんが、強引に続けていきたいと思います。また、このページと三菱電機さんの情報にズレがあることを問う注意深い方もいらっしゃるかも知れません。でも、いいんです!ちっちゃいことは気にしてはいけません。

暗号解読のために生まれたコンピュータ

ドイツ軍の暗号を解読するためにイギリスは暗号学校を設立しました。学校のなかでも有名な人物はチューリングです。チューリングはコンピュータの原型となる仮想計算機を提唱しました。暗号学校ではエニグマ解読装置のボンブが稼働していましたが、ドイツ軍がエニグマのロッド数を追加して暗号化のレベルをあげたので、ボンブでは処理が追いつかなくなってきました。そこで開発されたのが世界初のコンピュータと言われるコロッサスでした。コンピュータはイギリス発祥だったのですね。

コロッサス(出典:Wikipedia)

コンピュータが登場してきりがいいので、暗号の歴史はこの辺で。
次回の記事をお楽しみに!

出典・参考資料

出典
出典1)http://eng-etymo.com/archives/366

参考資料
Wikipedia スキュタレー
Wikipedia エニグマ
Wikipedia コロッサス

また、本記事は下記の本を参考にしております。
・『トコトンやさしい暗号の本』 今井秀樹監修 日刊工業新聞社

【2話】やさしく学ぶBitcoinの暗号技術:公開鍵の安全性

2017.09.29

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