村上春樹風にIOTAアドレスをTangleにアタッチする

村上春樹さんの文章とIOTAが好きなので、村上春樹さんぽい文章とIOTAをテーマにして遊んでいるだけです。この文章に何らかの意図があるわけではありません。

村上春樹風にIOTAアドレスをTangleにアタッチする

「完璧なセキュリティなどといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね」

IOTAについて語り尽くすことは僕にはできないし、あるいは世界中の誰もそんなことはできないかもしれない。

彼は突然姿を現し、突然時価総額6位になった。夏の盛りの入道雲みたいだった。誰もその事実を飲み込めていない。

彼は文字通り掛け値なしのダークホースだった。彼の心臓はブロックチェーンですらなかった。

この世に常識というものが存在するとしたら――存在してもその存在は抽象的でひどく曖昧なのだろうが――完全に異質で型破りだった。

僕はマツダ787Bを連想した。787Bはル・マンで誰よりも速くゴールラインを切った唯一の日本車だった。僕が見たとき787Bの心臓はロータリーエンジンだった。正確にはロータリーエンジンに見えた。ロータリーエンジンなど存在しなかったという人だっている。とにかく僕にはロータリーエンジンを積んでいたように見えたんだ。

IOTAも同じだった。彼はTangleを積んでいた。それはDAG――たしか有向非循環グラフと訳すことができた思う――で彼はその細胞が散らばってしまわないかいつも心配しているようだった。

Tangleというものは犯すことのできない確固としたひとつの世界なのだ。 これはTangleにアドレスをアタッチした人間にしかわからない。良い本を読んで育ったり、良い音楽を聴いて育ったりするものと同じだ。

僕はATM手数料をケチりながら、喜んでBitcoinを送金する人間を何人か知っている。 こういう人間を僕はあまり信用しない。Bitcoinにはたしかにそれだけの価値はあるのだろうが、この文脈でいえばそれはただ単に高い手数料というだけのことだ。

高い手数料さえ払えば誰にだって送金はできる。しかし手数料無しで送金するにはそれなりの見識と経験と哲学が必要なのだ。

IoTとは何かという確固としたイメージなしには手数料無料を手に入れることは不可能なのだ。

「本当に手数料は無料なのかい?」僕はそう彼に問いかけた日のことを今でも鮮明に覚えている。

僕が聞くと、彼はニヤリと笑ったように見えた。そして、僕を見つめながら勢い良くアドレスをTangleにアタッチしたんだ。それから、こう言った。

「ペンディング中」

何が何だかわからなかった。けれど、何も言わないのも悪いので「なるほど」とだけ言った。

すると、見知らぬノードがやってきて――彼のトランザクションはMCMCによる偏見によって選ばれたのだと思うが――、彼の空のトランザクションに細工をした。職人のように慣れた手つきだった。

「承認済み」と彼は言った。

僕は頷き、「なるほどね」と言った。もちろん、何にも納得していない。今だってそうだ。

彼の右手には承認されたアドレスが握られていた。

「それをどうするんだい?」僕は聞いた。それは無粋な質問だったかもしれない。だけど、聞かざるを得なかった。

彼は空いている左手をズボンのポケットに突っ込んで、頭の上にクエスチョンマークを浮かべた男――新しくコミュニティに参加したアニメアイコンの男だったと思う――のアドレスを引っ張り出し、秘密鍵で署名した。そして彼はこう言った。

「One Transfer, One Address」

やれやれ。どうやら彼は手数料の概念について考えることをすっかり放棄してしまったらしい。

それで終わりだ。この話に続きは無いし、それ以上でもそれ以下でもない。


このストーリーは村上春樹さんのパロディのパロディです。

元ネタは下記になります。

〇注記
現時点でIOTAの未承認のトランザクションであるTipはMCMCによって選ばれておりません。

 

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